2017年05月29日

William BuhlmanのAdventures in the Afterlife(2)

 後半はFrankが体験した死後の世界を、改めて解き明かしている。すでに『肉体を超えた冒険』を読んでいる人にとっては、馴染みの世界観である。さらに、宇宙そのものの構造が図示されている。
 実際に目に見える世界は、低周波で濃密な物質世界である。人間は自己の霊的な進化のために、物質世界に生まれたのだという。ただ、物質世界も本来は、人間の精神が具現化したものであることを、この世に生まれた時点で忘れてしまっている。
 人間が夢を見たり、体外離脱しているときにまず訪れるのは、非物質的な平行宇宙の世界である。これは物質世界に住む人間の精神によって形作られており、現実とそっくりではあるが、どこか違っていたりする。また、個人的な意識に依存する場合は形が変化するが、集合的な意識に依存する場合は、形が変化しにくい。
 その内側に死者が住むアストラル界が存在する。無数の信念体系領域が存在する。既存の宗教を信じ込んでいるために、自分で探究することを知らない者が多い。アストラル体を捨てて第二の死を経験することで、思念応答の次元に達し、変幻自在の光の存在、ハイヤーセルフと一つになることが可能となる。
 では、そうした純粋な魂、ハイヤーセルフに達するにはどうすればいいか。ウィリアム・ブルーマンがモンロー研究所から出している《ハイヤーセルフへの帰還》を聞いて、自身が光と一体になる瞑想をすればいいだろう。自他に対する許しを行い、この世に対する執着を断ち切ることが肝要となる。『チベットの死者の書』で説かれる、クリアーライトとの一体化は、ブルーマンの考えと軌を一にする。仏教徒やヒンズー教徒のように、死後の魂に導きを行い、火葬に付すことで肉体に対する執着を断つことが、死後の霊的な進化には有効だとされる。

参考文献
William Buhlman"Adventures in the Afterlife" (amazon)   

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posted by 高野敦志 at 00:27| Comment(0) | 宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月28日

William BuhlmanのAdventures in the Afterlife(1)

『肉体を超えた冒険』で、ウィリアム・ブルーマンに関心を持った僕は、未邦訳の本書を読んでみた。Kindleのおかげで、日本語に近い速度で読み進めることができた。癖のない英語なので、大学生程度の英語力があれば読み通せるだろう。
 本書は2部構成となっている。前半はFrank Brooksという虚構の人物による死後体験の物語である。Rumiという知的生命体に導かれて、死後のFrankが霊的に進化していくさまは、ゲーテの『ファウスト』を読んでいるような印象を受ける。
 若くして癌に冒されて、妻と幼い娘を残しして死んだFrankは、現世によく似た世界を訪れる。ここには死んだ母やおばも住み、懐かしい実家で母との再会を喜ぶ。そこには教会もあって、この世と同じように神への祈りが捧げられている。Franhは自分が死んだことに気づいており、コピーのような世界が天国ではないことを悟る。亡き父の姿はなく、キリストの姿もない。そこは死者の共同体が形作った信念体系領域だったのである。『聖書』への疑念を示したFrankは、異端者として扱われ、母の住むFirst Heavenを去ることになる。
 Frankはアストラル界でも周波数が高いSecond Heavenを旅することになる。その間に前世の自分が何をしてきたかを知る。ドイツ軍の兵士として進軍していたり、家庭内暴力で母が父に暴力を振るわれて、息も絶え絶えになっているさまを見たり。人間は転生を繰り返すことで、さまざまな教訓を得て、霊的に進化していくということを、Rumiによって教えられる。
 肉体を捨てたFrankではあるが、さらにアストラル体も捨て去り、第二の死を経験することで、Third Heavenに当たる思念応答の次元に達する。そこでは思うがままに創造する力を獲得する。それから数世代の時間が流れ、Frankはさらなる探究のために、人間として転生することになる。(つづく)

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2017年05月27日

ぼくはネコなのだ(41)

 夜遅くなり、おばさんとおばあさんがいなくなると、ぼくらもいったん寝てしまう。しばらくして目を覚ますと、ぼくはお尻を持ち上げて背筋を伸ばしたり、足を前に投げ出して柔軟体操を行う。兄貴も目が覚めたようなので、追いかけっこでもすることにした。
 兄貴の方を見ると、もう戦闘モードになっている。しっぽを横に振りながら、「おい、こっちに来いよ」と挑発してくる。
「この意気地なし! おまえ、おれがこわいんだろ」
 ぼくはにらみつけ、兄貴に向かって突進する。兄貴は全速力で逃げていく。ぼくも負けじと追いかける。追いついたところで、兄貴はこちらのおなかを足蹴にして、顔にパンチを食らわせた。
 遊びのはずなのに、手加減してくれない。今度はぼくが全速力で逃げ出した。そのとき、テーブルにうつぶしてたおじさんが目を覚まし、こわい顔をして裏口のドアを開けた。思わず、ぼくは外に出てしまったんだけど、兄貴の方は吹きすさぶ風に怖じ気づいたのか、台所の出口の前で立ち尽くしていた。
「出てけ!」
 人間の言葉が分からない兄貴も、おじさんが本気で怒ってるらしいことは分かった。身を伏せるようにして、すごすごとおじさんの前を抜け、柿の木の前に出たところで、後ろのドアがバシンと閉められてしまった。(つづく)

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