2017年05月30日

ぼくがダライラマ?(1)

          一

 ぼくが生まれたのは、今から三百年以上も昔、清王朝の頃のチベット南部、ムン地方だった。お父さんは在家の行者で、お母さんはメンパ族の出身だった。お父さんの仕事は雹で裸麦がやられないように、お祈りで鬼神を退治することだった。それは命がけの仕事で、鬼神に殴り殺されなくても、お祈りの効果がないというだけで、お父さんが責任をとらされるからだった。役人に鞭でたたかれ、血がにじんでいる背中を、お母さんがふいている姿を、生まれて間もない頃に見たことがある。
 普段はお祈りの仕事がないので、毛の長い牛ヤクや羊を育てていた。幼いぼくをヤクの背中に乗せて、お父さんは家の前に広がる草原に出かけていった。
「チベットは地上でいちばん、須弥山に近い国なんだよ。仏さまが住んでおられるから、たとえどんなに貧しくても、来世は極楽にいけるんだよ」
 遠くに見える雪山は、そんな絵空事みたいな言葉を笑うように、朝日を浴びてほほえんでいた。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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『ビーバップとその周辺』(pdf)

 ビーバップBebopとは、1940年代に起こったジャズのスタイルで、神業とも思える速さで原曲をアレンジし、即興演奏するジャズの一派です。チャーリー・パーカーをはじめとするミュージシャンのアルバムについて、恣意的な好みで選んだエッセイ集です。これを読んで好きなアルバムを、ぜひ見つけて下さい。今回パソコンですぐに開けるpdf形式でアップロードします。
 以下のリンクからダウンロードできます。
Bebop.pdf

 iTunesからダウンロードする場合は、マイミュージック→iTunes→iTunes Media→podcasts→当該のフォルダの下に、ファイルが入ります。大部分のパソコンにインストールされているAdobe Readerで読むことができます。

 なお、パソコンのiTunesで「購読」したり、iOSのアプリpodcast(https://itunes.apple.com/jp/app/podcast/id525463029?mt=8)でマイpodcastに登録すれば、確実に新しいエピソードが入手できます。

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2017年05月29日

William BuhlmanのAdventures in the Afterlife(2)

 後半はFrankが体験した死後の世界を、改めて解き明かしている。すでに『肉体を超えた冒険』を読んでいる人にとっては、馴染みの世界観である。さらに、宇宙そのものの構造が図示されている。
 実際に目に見える世界は、低周波で濃密な物質世界である。人間は自己の霊的な進化のために、物質世界に生まれたのだという。ただ、物質世界も本来は、人間の精神が具現化したものであることを、この世に生まれた時点で忘れてしまっている。
 人間が夢を見たり、体外離脱しているときにまず訪れるのは、非物質的な平行宇宙の世界である。これは物質世界に住む人間の精神によって形作られており、現実とそっくりではあるが、どこか違っていたりする。また、個人的な意識に依存する場合は形が変化するが、集合的な意識に依存する場合は、形が変化しにくい。
 その内側に死者が住むアストラル界が存在する。無数の信念体系領域が存在する。既存の宗教を信じ込んでいるために、自分で探究することを知らない者が多い。アストラル体を捨てて第二の死を経験することで、思念応答の次元に達し、変幻自在の光の存在、ハイヤーセルフと一つになることが可能となる。
 では、そうした純粋な魂、ハイヤーセルフに達するにはどうすればいいか。ウィリアム・ブルーマンがモンロー研究所から出している《ハイヤーセルフへの帰還》を聞いて、自身が光と一体になる瞑想をすればいいだろう。自他に対する許しを行い、この世に対する執着を断ち切ることが肝要となる。『チベットの死者の書』で説かれる、クリアーライトとの一体化は、ブルーマンの考えと軌を一にする。仏教徒やヒンズー教徒のように、死後の魂に導きを行い、火葬に付すことで肉体に対する執着を断つことが、死後の霊的な進化には有効だとされる。

参考文献
William Buhlman"Adventures in the Afterlife" (amazon)   

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