2017年04月29日

ぼくはネコなのだ(30)

 家に髪の短いおじさんが、一人で留守番している日があった。おばさんとおばあさんは、どこかに出かけていた。そのうち、おじさんまで出かけてしまった。今日の夕食はどうなるんだろうと、兄貴と話しあっていたら、おじさんが誰か連れてきた。
 おじさんが二人になってしまった。新しいおじさんは、ほっぺたが赤いくまの絵が描かれたシャツを着ていた。「くまモン」という言葉が聞こえてきた。どうやらそのくまの絵のことらしい。そこで、くまの絵のシャツを着たおじさんを、「くまモンさん」と呼ぶことにする。
「あっ、ほんとだ。かわいいね」
 くまモンさんはネコ好きらしい。ぼくと兄貴の方を見くらべている。ぼくはこわくなって、少し離れたところに座っていた。すると、くまモンさんはおなかの毛が白い兄貴の方ばかり見ている。
「毛の色は違うけど、白いネコの方がイオに似ているな」
「イオって、木星の衛星イオからつけたの?」
「火の国にぴったりだと思ってね。イオは白と黒のまだらのネコだったけどね」 (つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:25| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする