2017年04月24日

石垣島のイトマンジー(6)

 おじさんは四時頃に帰ろうと言っていた。だけど、僕は「もう少し潜っていたい」と言い張った。四時半頃に戻ろうとしたら、すでに潮が満ちてきていた。イトマンジーは島に戻っていたのだ。
 腹近くまで海水に浸かりながら、対岸まで戻らなければならなかった。外海だったら、こんな危険は冒せないけれども、沖縄では珊瑚礁の内側では波がない。ただ、足元の生物をうっかり踏んづけたりしないように進んだ
 夕食のあとは、ペアレントさんの話を聞いていた。ご夫婦で話しているのが、まるで漫才のようだった。家族的なところが、このユースホステルのいいとこころだ。二人はここの自然に魅せられて、本土から移り住んだらしい。
「風速七十メートルも吹くと、電柱が倒れてしまうのよ。十日も停電したことがあってね。トタン屋根も飛ばされて、歩いてたおじいの首を切ってしまったのよ」
 ナイチャー(本土の日本人)には、とても現実とは思えない話だ。僕の疲労も限界に達していた。目をつぶると、昼間見ていた熱帯魚の姿が見えた。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:02| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする