2017年04月22日

桃太郎生まれず

 むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。その二人を密告した者がおりました。おじいさんは国司の林で薪を取った罪で、おばあさんは流れてきた桃を勝手に持ち帰った罪で検非違使に捕らえられ、ともに獄死してしまいました。押収された桃も、何者かが食べてしまいました。
 その頃、都では人に化けた鬼が重税を課して、民を苦しめておりました。本来なら桃太郎が生まれて、鬼どもを退治するはずだったのですが、国の乱れは治まることなく、いつになったら正義がもたらされるのかと、帝は御心を悩ませ給うのでした。めでたくなし、めでたくなし。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:22| Comment(0) | ショートショート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする