2017年04月11日

石垣島のイトマンジー(3)

 沖にある珊瑚礁は、天然の防波堤となっているらしい。ここからはまだ見えないが。真下の海水はほとんど動いていない。
「潮が引くと見えてくるよ」
 おじさんが言った。彼方から波の砕ける音がする。珊瑚礁が隠れている辺りから。その先には少し黒い雲が見える。目を凝らすと、細い糸のような物が下がっている。
「あそこは雨が降っているんだよ。本土じゃどこで雨が降ってるかなんて分からないだろ」
 たしかに、これほど視界が開けていなければ、雨が降っているところと、晴れているところが、画然と分かれているさまは見られない。
 背後から雨が迫ってきた。やばい! 僕たちはユースホステルに向かって走った。しかし、何て足が速いんだろう。はるか沖で降っていた雨に追いつかれてしまった。本降りとなる前には駆け込んだが。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:05| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする