2017年04月08日

石垣島のイトマンジー(2)

 このユースホステルには、自分の家のように長期滞在している初老の人や、十日近くも泊まって、連日銛で魚を捕っている青年もいる。
「海人(うみんちゅ)を目指してるのよ」と、ペアレントの奥さんが言うと、無口な彼は照れていた。
 僕は秦野市から来たという人と、近くの海へ行ってみることにした。その人は若々しくて、三十歳ぐらいに見えるのだが、実際はずっと年上らしい。自由な生き方を選択したのだろう。
 若いおじさんについて、海に行ってみることにした。前日に買ったど派手なシャツと短パン姿で。山道を越えてまっすぐ行くと、大きな岩が海に向かって突き出している。午前九時頃だったので、潮がまだ満ちていた。おじさんは釣り糸を垂れていたが、全然釣れない。僕は素っ裸になった。見ている人間なんか誰もいやしない。岩場の上に立って、水平線の彼方を眺めていた。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 04:57| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする