2017年04月02日

竹富島の美(ちゅ)ら海(2)

 十五分ほど船に乗ると、平坦な小島が見えてきた。石垣島を訪れる人の多くが竹富島に寄るのは、近さのためだけではない。港に下りると、マイクロバスに乗るか、水牛の牛車に乗るのが普通らしいが、白い砂利道を徒歩で上っていくことにした。これが一番自分の性に合っている。
 島の一番高いところに出た。といっても、なだらかな丘の天辺なのだが。そこでジュースを飲んで一休みする。琉球王国時代の面影を残す赤瓦の家並み。南国の光と風雨に耐えて、茶色く変色した板壁。タイムスリップしたかの光景が、人々が生活する中で保存されているのだ。離島であるために、空襲には見舞われたものの、地上戦で焼き払われることはなかった。積み上げられたごつごつした岩は、周りの珊瑚礁から削り取られた岩であり、無数の穴は雨水で石灰分が溶け出したからだろう。岩の一つ一つはただ積み上げただけのものだが、長い時を経て偉容すら感じさせる。
 赤い花びらに黄色い蘂を垂らしたハイビスカスに、白地に黒いまだらのアゲハ蝶が戯れている。光が強いので砂利道を見るだけで、目がちかちかしてしまう。しかし、人影が見えない。島の人は一番暑い時間は、家の中で休んでいるのだろうか。そういえば、猛毒のハブもヤブ蚊も、日中は木陰に潜んでいるというから。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 02:20| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする