2017年03月21日

ぼくはネコなのだ(22)

「あれが学校というものか」
 この辺は子供が多いのも納得がいった。子供がカバンの中に、パンを持っていると母ちゃんが言ってた気がするが、人間の中で子供ほど、本性の分からぬ生き物もいないそうだ。腹をすかしてしゃがんでいると、頼んでもいないのにパンを差し出す。食べようとして近づくと、首根っこをつかもうとする。何をされるか分かったもんじゃない。
 運動もろくにできず、弱い者いじめをする人間だからこそ、学校というものに通わなければ、まともな大人にはなれないんだろう。その間、子供たちの親は仕事をしていられるわけだし。えささえたくさん食べていれば、大ネコになれるぼくらとは大違いなのだ。
 もし、ネコにも学校ができたら、人間よりよっぽど高等な生き物なれるだろう。だとすると、笛を吹いて子供たちを訓練している男の人は、人間の中ではすぐれた種族に属するんだろう。箱を飛ぼうとしてお尻を打った女の子が「先生!」と言って泣き出した。そうか。あれが「先生」という種族なんだな。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 04:19| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする