2017年03月14日

ぼくはネコなのだ(20)

 ネコはどんな人間が好きかって? イヌと違ってネコは、自分が主人で人間を召し使いだと思ってるとか、ネコは自分勝手だから、だれがおいしいえさをくれるか、はかりにかけてるとか。それって自分たちの思い込みを、ぼくたちネコに当てはめてるだけじゃないか?
 そりゃあ、えさをもらえるかどうかは大切だよ。食べなきゃ生きていけないからね。だからといって、おいしいえさをくれるから好きになるなんて、言いがかりに過ぎない。ぼくたちネコにも、好きになれる人間となれない人間がいるんだ。
 ここのうちに住んでるおばさんは、動物の扱いに慣れているから、兄貴はすっかり心を許してしまった。棒の先にひもをくくりつけて、ネコじゃらしとかいうオモチャを作り、それを鼻先に近づけるものだから、兄貴はもう夢中で、甘ったれた声まで出している。
 だけど、ぼくはまだよく分からない。おばさんによく怒られてるおじさん、どうやらおばさんのお兄さんは、ネコとの付き合いは下手なんだけど、悪い人ではないみたいだ。離れた位置で座ってるぼくの方を見て、にこっと笑って眺めている。手にはいい匂いがする肉の棒を持っている。ぼくと遊びたいのかな。でも、やり方が下手だから、えさで釣るしかないんだね。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:21| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする