2017年03月13日

ぼくはネコなのだ(19)

 ようやく、ぼくたち兄弟の安住の地が決まった。放浪なんかする必要なかったのだ。生まれた場所に住めと、おてんとうさまがおっしゃってるんだろう。朝と夕方、兄と妹らしいおじさんかおばさんが、皿いっぱいのえさと水を運んで来てくれるわけだし。
 また、おばさんは段ボールの中にふとんを敷いて、兄貴とぼくが寝るところまで作ってくれた。おばさんは兄貴がお気に入りらしいからな。サービスが良すぎるのは危ない気もしたが、これからは朝晩、ひんやりしてくるし、玄関の端で丸くなってるよりましだった。
 このうちが好きになったのも、庭に植木がたくさんあるのと、草花のしげみがあるという点だった。梅とか柿の木は木登りするのと、爪をとぐのに便利だった。爪は高いところに登るとき、岩に打ち込む杭みたいなものだし、ネズミや小鳥をつかまえるとき、イヌなんかに襲われたときの武器にもなるのだ。草のしげみは兄貴と鬼ごっこするときの隠れ家や、庭で見つけた宝物を隠す秘密基地にもなるからだった。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:12| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする