2017年03月10日

米軍基地の間を抜けて(5)

 バスに乗った。海沿いの道を延々と進む。沖縄本島の海は、場所によってはすでに珊瑚礁が死滅している。原因は汚染物質というより、あのオレンジ色がかった土だ。開発によって剥き出しになると、海に流れ込んで珊瑚を窒息させしまうのだ。
 エンジンの音を聞きながら一時間半、国頭郡本部町の国営沖縄記念公園で下りた。ここは1975年(昭和50)から翌年1月まで、沖縄国際海洋博覧会が開かれていた所だ。まずは沖縄館に入ってみた。ちょうどシーサー(獅子)展をやっていた。
 シーサーと言えば、獅子のことだから、本来はライオンのことなんだろうが、極東にはライオンはいない。ゾウならインドにいるから、中国人でも見たことがあったんだろうが、東アジアに伝わったライオンは、百獣の王のイメージとはほど遠い霊獣になってしまった。沖縄の赤い屋根瓦を見上げると、シーサーが魔除けとして飾られている。霊獣といっても、顔つきは何だかコミカルだ。
 そういえば、本土の獅子舞でも、獅子頭に噛んでもらう風習があるが、これも獅子の霊力によって、邪気を祓ってもらう意味があるそうだ。本物のライオンだったら、人間なんかいちころだろうに。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:59| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする