2017年03月23日

米軍基地の間を抜けて(7)

 海岸に出た。真っ白な砂浜に、エメラルドグリーンの海が広がっている。砂の色が白いのは、砂が珊瑚の破片から出来ているからだ。沖には伊江島が望める。平和な光景に見えるが、あの島も沖縄戦の激戦地で、島の六割は米軍基地で占められている。
 水中メガネを使って、海の中を覗いてみた。ピンク色の小魚がたくさん泳いでいる。これがスクと呼ばれるアイゴの稚魚で、塩漬けにして「スクガラス」という名で売られている。島豆腐の上に載せられている奴だ。
 水遊びしたあと、沖縄そばを食べた。そばと言っても、そば粉が入っているわけではない。小麦粉で作られた麺で、うどんとラーメンの中間のような食感だ。スープは鰹と豚のだしを取ったもので、淡泊でさっぱりしている。醤油と砂糖で煮付けた豚肉は味が濃いめで、スープとのコントラストが生きている。泡盛に島唐辛子を漬け込んだコーレーグスという調味料をかけると、風味が増しておいしい。
 沖縄そばのあとは、シークヮーサーというヒラミレモンのジュースを飲み、小麦粉に卵と黒砂糖を入れて薄く焼いたポーポーや、黒砂糖の代わりにニラや味噌を入れたヒラヤーチー(平焼き)も食べてみた。癖のない、素朴な味わいの菓子である。
 バスの時間が気になったが、水族館だけは見ることにした。大きな鮫は迫力があったが、何と言っても圧巻は、巨大なマンタ、和名オニイトマキエイの泳ぐ姿だった。三角形の翼で悠然と泳ぐ姿は、素晴らしいの一言に尽きる。黒い翼の端から端までは、三メートルはあっただろう。これは台湾に近い、西表島の周辺海域に生息するという。

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posted by 高野敦志 at 01:36| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月22日

日本人よ、目を覚ませ!

 昨日の朝、出勤の駅で跨線橋を急いでいると、バタンと大きな音がした。振り返ると、サラリーマンが床に倒れていた。駅員がすぐに駆けつけたが、一向に反応がない。突然、意識を失って倒れる人が増えている。原因は分からない。噂によれば、ストロンチウムが脳内に蓄積すると、意識消失が起こるのだとか。
 外国人にとって、日本人はどこでも眠る民族だそうだ。帰宅時の電車の椅子でも、座っている人の多くは眠っている。以前は酒を飲んで、道ばたで引っ繰り返っている人がいたが、今では店の中でも歩道でも、車道の真ん中でも人が引っ繰り返る。幸い、自分が意識を消失するのは、自宅の椅子に座っている時である。足が痺れてたまらないので、横になるとうたた寝してしまった。すると、猫がそばに寄ってきた。

 床に臥し猫が添い寝の彼岸かな

 一句詠んだところで、いい気分になったのも束の間、「テロ等準備罪」の名目で、昭和の悪法「治安維持法」が、テロ対策の名でよみがえろうとしている。しかも、テロ対策とは口実に過ぎず、著作権法違反、スピード違反など、テロとは全く関係ない項目でも、複数の人間が語り合えば、取り締まり対象だそうだ。「羊頭狗肉」である。人気漫画の主人公を二次創作で使っても検挙されるなら、コミケの同人誌も廃刊だろう。著作権が切れていない歌詞の載ったブログを、Twitterでツイートしたら、著作権法違反を共謀したとして、取り締まりの対象となるのか。「治安維持法」では、社会変革を願う詩人も、暴力革命を計画したと濡れ衣を着せられ、監獄に閉じ込められた。
 いつだったか、友人とレンタカーを割り勘したグループが、白タクを共謀したとして逮捕された。それは社会運動をしている人たちだった。オウム真理教による地下鉄サリン事件が発生した当時、信者たちは散歩で駐車場に入っただけで不法侵入、カバンにカッターナイフが入っていただけで、銃刀法違反で逮捕された。「テロ等準備罪」の名目によって、300近い罪種で警察に不法逮捕の武器を与えてはいけない。これじゃ、おちおちうたた寝もしていられない。

 言論の自由蝕む共謀罪 心の中も土足で捜査か

 でも、よく考えてみれば、『日本国憲法』では「言論の自由」が保障されている。「秘密保護法」や「集団的自衛権」などの憲法違反の法律を強行採決した政権が、私たちの心の中まで取り締まりの対象にしようとしているのだ。これは昭和の悪法「治安維持法」のよみがえりにほかならない。
 黙っているのは、憲法違反を強行採決で立法化する与党に、無抵抗で服従することである。国有地がただ同然で、お友達に払い下げられても、検察は内閣に遠慮して動こうとしない。無言の圧力から「忖度」しているのだろう。政府批判をする個人も、警察がお上の意向を「忖度」して取り締まる危機が迫っている。「日本人よ、目を覚ませ!」

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posted by 高野敦志 at 02:22| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月21日

ぼくはネコなのだ(22)

「あれが学校というものか」
 この辺は子供が多いのも納得がいった。子供がカバンの中に、パンを持っていると母ちゃんが言ってた気がするが、人間の中で子供ほど、本性の分からぬ生き物もいないそうだ。腹をすかしてしゃがんでいると、頼んでもいないのにパンを差し出す。食べようとして近づくと、首根っこをつかもうとする。何をされるか分かったもんじゃない。
 運動もろくにできず、弱い者いじめをする人間だからこそ、学校というものに通わなければ、まともな大人にはなれないんだろう。その間、子供たちの親は仕事をしていられるわけだし。えささえたくさん食べていれば、大ネコになれるぼくらとは大違いなのだ。
 もし、ネコにも学校ができたら、人間よりよっぽど高等な生き物なれるだろう。だとすると、笛を吹いて子供たちを訓練している男の人は、人間の中ではすぐれた種族に属するんだろう。箱を飛ぼうとしてお尻を打った女の子が「先生!」と言って泣き出した。そうか。あれが「先生」という種族なんだな。(つづく)

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posted by 高野敦志 at 04:19| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする