2017年02月18日

ぼくはネコなのだ(14)

 夕食の時間になった。おばさんが玄関からえさを出したので、兄貴とぼくが近づくと、極ネコのおじさんが出てきて、ぼくたちを追っ払いにかかった。
「ねえ、母ちゃん。お腹すいた!」
 兄貴が構わず出ていくと、おじさんは「ガー」と威嚇の声を出した。ついで、母ちゃんの一言。
「早く、あっちに行っちゃいなさいよ」
 ぼくは耳を疑った。母ちゃんと姿形は同じでも、別なネコの魂でも取り憑いてしまったのだろうか。お腹のあたりを見ると、最近大きくなってきたみたいだ。子供にろくに食べさせないで、皿いっぱいのえさを、極ネコおじさんと山分けしているのだから。
「ほんとにうるさい子だね。もうおまえたちなんか、産んだこと忘れたよ」
 ぼくはショックで、身震いしてしまった。普段は鈍感な兄貴も、毛を逆立てると、お尻を山のように盛り上げた。これは母ちゃんから発せられた、兄貴とぼくに対する縁切り宣言なんだろう。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:25| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする