2017年02月08日

ぼくはネコなのだ(11)

「もう食べ終わったな。さあ、行った、行った!」
 極ネコのおじさんが、ぼくたちを追っ払いにかかった。ぼくはしゃべっていたので、まだほとんど口にしていない。
「ねえ、ぼくはまだ食べてないよ」
 こういうとき、母親は子どものことをかばって、自分の食べる量を減らしても、子どもに食い分を譲ってくれるものなのに。
 あんまり自分の子どもばかりかばうと、極ネコおじさんからネコパンチを食らうのかな。それとも……。
「私もお腹が空いているのよ」
 何て言う母親だ。おじさんと二匹で皿を占領して、子どもたちを追い出すとは。ぼくは腹ぺこのまま、すごすごと引き下がり、梅の木に登っている兄貴を見上げた。
「おい、おまえも来いよ!」
 言われるままに、登っていった。近づくと、兄貴が上の方を指さした。
「ほら」
 すずめが枝の先に留まっている。兄貴はお腹が重いんだろう。空きっ腹のぼくは、静かに忍び寄ったのだが、逃げられた。すると、別のすずめが、隣の枝に留まった。ぼくが近づくと、また、逃げてしまった。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:18| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする