2017年02月22日

ぼくはネコなのだ(15)

 兄貴とぼくは、空き家となっている隣のうちの、二階のベランダへと移動した。ここではえさはもらえないから、二匹だけで食べ物を探しにいかなければならない。
「ぼくたちどうなるのかな」
「えさが食べられなければ、三味線にされなくても、骨と皮だけになってしまうだろうな」
 この近所には、ネコを目の敵にしている人間もいるから、うろうろしているだけでもあぶない。生まれたばかりなのに、どうしてつらいことばかりあるんだろう? ぼくは生きているのがいやになった。
「兄ちゃん、どうしたら死ねるんだろう。このベランダから飛び下りたら死ぬかな」
「くるりと回って、ひらりと着地してしまうよ」
「じゃあ、断食しようか」
「えさが見つからなければ、死にたくなくても断食だ」
「もっと手軽な方法は?」
「わざとつかまって、ガス室で死ぬかい?」
「そんなの、いやだ」
「悩んだってしかたないさ。あしたはあしたの風が吹くっていうから」(つづく)

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2017年02月21日

ロナルド・ラッセル編著『全脳革命』に関して(2)

 当初、僕は「ヒューマス・プラス」について懐疑的だったが、《ゲートウェイ・エクスペリエンス》で練習してから、その効能を実感するようになった。呪文みたいで非科学的だというのは、先入観に過ぎなかった。秘密仏教では印を結んで真言を唱えるが、その形や言葉を真似るだけでは、全く意味がないわけだが、変性意識を喚起するために行うという点では、「ヒューマン・プラス」と同様の機能を担っているのだろう。「ヒューマン・プラス」の場合、ヘミシンクという音声技術を伴っているから、独習することも可能である。
「ヒューマン・プラス」(Hプラス)は、英語版では多数販売されているが、日本語版では《情報にアクセスする》《エネルギーにアクセスする》などわずかしかない。「ヒューマス・プラス」のタイトルが、日本語版で少ないのはなぜだろうか。その原因の一つとしては、脳の血流を増やしたり、免疫機能を高めたりといった、健康を促進する効能を謳ったタイトルが多いからだと考えられる。薬事法に抵触する恐れがあるからかもしれない。
 三つ目の「メタミュージック」は、一流のアーティストのアルバムに、リラックス効果のあるヘミシンクの信号が埋め込まれている。言葉による誘導がないため、言語による誘導が苦手な子供から、高齢者、さらに動物まで効果が期待できる。音楽を鑑賞しながら、集中力を高めたり、リラックスしたり、不眠を解消できたりするのである。一般向けなので、精神的に深い体験をしたい場合は、《ゲートウェイ・エクスペリエンス》で訓練するといいだろう。《ゲートウェイ・エクスペリエンス》を習得してしまえば、「メタミュージック」を聴くだけで、精神的に深い体験ができるし、「ヒューマン・プラス」を習得してしまえば、ヘミシンクの信号が埋め込まれていないアルバムでも、「メタミュージック」を聴いているような感覚が味わえる。音と自分が一体化する感覚が。
 ヘミシンクの応用範囲は広く、ヨーガやマッサージなどと併用すれば、格段の相乗作用が期待できるという。その場合、「メタミュージック」がふさわしい。集中力がない子供や、介護施設の老人などでもプラスの効果が期待できる。ただ、音楽の好みには差があるので、本人が好きなメロディーに合った「メタミュージック」を聴かせることが肝要である。ただし、ヘミシンクの効果がない人や、てんかんなどの発作を起こす人もいるので、万人向けではないことも忘れてはならない。

参考文献 ロナルド・ラッセル編著『全脳革命』(坂本政通監訳 日向やよい翻訳 ハート出版)

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2017年02月20日

ロナルド・ラッセル編著『全脳革命』に関して(1)

 ロバート・モンローと言えば、体外離脱という神秘的な体験と、それを第三者にも追体験させる音響技術の開発者といったイメージが強い。日本ではいまだに疑似科学か、新興宗教のように考える人が多いのではないか。本書は多分野にわたる専門家の意見をまとめたもので、ロパート・モンローがヘミシンクと名づけた音響技術の謎を、具体的な形で解き明かしてくれる。
 ヘミシンクはバイノーラル・ビートという技術が基礎にあり、左右の耳から異なる周波数の音声を流して、その周波数の差に当たる周波数を、脳内に生じさせる技術である。それによって、左右の脳が同時に働く全脳状態に移行させるだけでなく、周波数の差を調整することによって、集中力を高めたり、想像力を高めたり、リラックスさせて不眠を解消させたり、宗教的とも言える精神の変容までもたらしてくれるのである。
 ヘミシンクを大別すると、「マインド・フード」「ヒューマン・プラス」「メタミュージック」の三種類となる。「マインド・フード」は《ゲートウェイ・エクスペリエンス》に代表されるような、ヘミシンクと言葉による誘導による瞑想である。「ヒューマン・プラス」はリラックスした状態で、ヘミシンクと言葉による誘導瞑想を行う点では、「マインド・フード」と似ているが、音声を聞いていないときでも、その状態を再現するための「機能コマンド」を習得することを目指す。これは《ゲートウェイ・エクスペリエンス》でも、一部取り入れられている。(つづく)

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