2017年01月17日

「ゴーイング・ホーム」私見(14)

「枕経」というのは、臨終の際に僧侶が読み上げるお経のことである。心臓が止まった直後、まだ意識が残っている段階で、死後の引導を行うのである。臨死体験との関連で注目を浴びた『チベットの死者の書』も、「枕経」として死者に聞かせるものだった。ただ、日本の僧侶は、葬儀で漢訳の経典を棒読みするので、普通の日本人にはちんぷんかんぷんである。最近は漢訳の経典を読み下す場合もあるが、古文を理解できなければ意味がない。本来は現代語で聞かせるのが筋だろう。
《ゴーイング・ホーム》の「別世界への旅立ち」は、不治の病に冒された患者に、息を引き取った直後に聴かせるもので、現代語の日本語なので「枕経」の役割を果たせると思われる。
 バックに流れている曲は、J.S.Eppersonの《Higher》である。これを聴きながら、自分の臨終の時を想像してみた。すでに亡くなった身内の顔が見える。今は認知症を患っている母も、別世界に旅立った後は正気を取り戻しているだろう。死後に残される親しい人たちのことも思い浮かべた。死の瞬間に苦痛を和らげるため、脳内麻薬が放出されるというから、夢見心地でこの世に別れを告げることになるだろう。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:40| Comment(0) | 宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする