2017年01月07日

ぼくはネコなのだ(2)

 母ちゃんに聞いたんだが、ぼくには妹が一匹いたんだそうだ。土砂降りが降った夏の日、かぜを引いてあっけなく死んでしまった。ぼくが泣いていたのは、自分も死にかかっていたからだそうだ。のらネコにはうちがないからね。
 どうして、物置の下で生まれたかって? 実は、母ちゃんは隣のうちで、えさをもらって暮らしていたんだそうだ。ところが、そこのおばあさんが引っ越してしまい、おなかはすくし、雨宿りするところもなくなった。やむを得ず、別荘代わりにしていた隣のうちの物置の下で、ぼくたちを産んだってわけさ。
 妹がどんなネコだったか、母ちゃんに聞いてみたんだけど、忘れてしまったんだって。昔の人間とおんなじで、たくさん産んでおかないと、大ネコになるまで生き残らないんだそうだ。これが悲しい現実なんだね。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:25| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする