2017年01月06日

ぼくはネコなのだ(1)

 ぼくはネコなのだ。名前はまだない。どこで生まれたか何(ニャン)となく覚えている。そこは薄暗くてじめじめした所。今住んでいるうちの物置の下だろう。何が悲しかったのか、ニャーニャー泣いていたことだけは記憶している。
 ぼくには家族がいる。しっぽの長い白と茶のまだらのネコが兄貴で、茶のシマシマのぼくとは全然似ていない。母ちゃんは三毛ネコだったのに、三匹ともまったく似ていない。どうやら母ちゃんは近所でも有名な美ネコだったから、引く手あまただったらしい。でも、違うオスとはめっこして、同時に子どもを産み分けるなんて、母ちゃんもなかなかやるなあ。
 兄貴にそっくりで立派なしっぽのネコが、通りを歩いているのを見たことがある。兄貴かと思ってニャーと声をかけたら、オヤジ顔でびっくりした。きっとあのおじさんが兄貴の父親なんだ。ぼくは自分の父ちゃんの顔を知らない。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:00| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする