2016年12月24日

黒部峡谷パノラマ展望ツアー(2)

 いよいよ旅も大詰めである。朝食を食べてホテルをチェックアウトした。9時半に黒部峡谷鉄道の宇奈月駅2階に集合。第3陣のツアーに参加するためである。完全予約制なので、当日いきなり加わることはできない。参加を希望するなら、次のページ(http://kurobe-panorama.jp/order/)を参照しておこう。行きと帰りに乗る便は決められており、食事をする時間もないから、欅平に戻ってきてから自由に取るようにということだった。

 1937年(昭和12)に開通した黒部峡谷鉄道は、黒部ダム建設の資材や人員を輸送するために造られた。正式に旅客運輸を始めたのは、1953年(昭和28)からである。豪雪のために、12月から4月中旬まで運休する。乗車するのは今回が2度目。最初は2001年(平成13)、まだ30代の頃だった。
 車両は吹き抜け窓のトロッコで、男性が座るにはやや窮屈である。全線電化されており、トンネルの壁も多くがコンクリートで固められ、雪囲いも鉄骨で支えられている。無人地帯を走るので、多くの駅は通過する。単線で反対方向の列車が擦れ違うため、無人駅に停車するのである。所要時間は1時間半弱。沿線の風景については、「立山黒部アルペンルートの旅」と重複するので割愛することにする。
 それと比べれば、大井川鐵道井川線の方が、同じく工事用に敷設されたトロッコでも、野性味を多く残している。アプト式の区間を除けば、電化はされずにディーゼルカーが牽引する。トンネルの大半は、爆薬で吹き飛ばしながら掘り進んだまま、岩盤の凹凸から地下水がしたたってくる。(つづく)

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2016年12月23日

「ゴーイング・ホーム」私見(8)

 ちょっと否定的なことを書いてしまったが、それは精神をすべて大脳の活動に帰する科学的な考えが、自分の左脳を支配してきたからである。その一方で、右脳は神秘的な体験を受容してきた。「体外離脱」や「明晰夢」を経験してきた自分にとって、懐疑的になるのも、一種のバランス感覚が働いているのだと思う。
「啓示の瞬間」ではフォーカス10から、フォーカス15、フォーカス21とたどった後に、意識の拡大を行う。「飛翔」で体験したテクニクッスを応用し、雲の上を飛んでいる自分を想像する。上昇するとともに、自分が大きくなるにつれて、地球が小さくなっていく。宇宙空間に出た自分は、地球と月を両手の中に抱え込む。さらに、太陽系をもしのぐ大きさになっていく。
 若い頃、僕は浴室で眠ってしまい、全能感に浸されたことがあった。宇宙の始まりからそれまでの歴史を、すべて知っているのだった。目覚めたとき、ただ一人の人間に戻ったことへの喪失感が大きかった。宇宙大に拡大した意識は、ちょうど若い頃に得た感覚に通じるものがあった。「宇宙である私」「宇宙精神」、宇宙でありながら人格を持つ「大日如来」になったかのような感覚である。(つづく)

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2016年12月22日

日本語の表記

 前島密は将軍徳川慶喜に対して『漢字御廃止之議』を提出し、漢字の廃止や口語体の採用などを建白した。近代化を押し進めるには、学習に時間がかかる漢字が障害となると考えたからである。
 同時期に活躍した思想家西周は、具体的に日本語をアルファベットで表記する方法を研究した。ここで注目されたのは、表記を発音によるのではなく、歴史的仮名遣いによった点である。時代の変遷を経て、表記は変わらなくても発音は変化していく。表記を保存することで、古代語との関係は視覚的に維持されるのである。また、アルファベットを用いる英語なども、表記と発音に大きな隔たりがある。西周の場合、それにならったとも言えるだろう。
 結局、西周の場合も、漢字仮名交じりの表記を支持することになる。漢語における同音異義語が、アルファベットでは区別できなくなり、読み手にとって意味が十分に伝わらない場合も出てくるからである。固有名詞を除いて漢字を廃止した韓国語では、そうした問題が起こっている。
 第二次大戦後、日本語における漢字はふたたび、存続の危機に立たされる。民主主義の普及の妨げになると考えられたからである。「小説の神様」と言われた志賀直哉などは、日本語そのものの使用をやめて、フランス語を国語とすべきだと発言している。日本語は廃止されなかったけれども、発音に即した現代仮名遣いが施行され、漢字の字体は簡略化された。使用される漢字も制限され、「当用漢字表」が制定された。漢字は当座の使用にとどめ、いずれ廃止することが念頭にあったからである。「当用漢字」が「常用漢字」となり、漢字は将来にわたって使用されることとなった。
 漢字は学習には時間がかかるが、造語力に優れているし、未習の専門用語であっても、漢字の組み合わせによって意味を推測できる。見た瞬間に、何について書かれた文章か分かるなど、文章を理解する上で大きな役割を担っている。また、和漢混淆文なども古語で書かれているが、表記が変わらない漢字によって理解が助けられるなど、日本語にとってなくてはならないものになっている。

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