2016年11月29日

凍らない魂

 夜空に出現したUFOは、地球人のサンプルを採集していた。クラブで踊る若者たちは、物質を透過する光線を当てられ、躍動する動きを止められたまま、瞬時にUFOに移動させられた。ガラスケースに凍結保存し、生物研究の資料とするためだった。
「まるで生きているようだろう?」
「そりゃそうさ。解凍すれば生き返るんだから」
 その日から宇宙人の研究者は、人間たちのお喋りに悩まされるようになった。どうやら魂までは凍結できなかったと見え、サンプルの人間たちは動きを止めたまま、日増しに生気を失っていった。鮮度が保たれていないことを恐れ、あわてて解凍したところ、若者たちはマネキンのように、ガラスケースの底に倒れてしまった。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:28| Comment(0) | ショートショート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする