2016年11月16日

合掌造りはどちらがすごい(1)

 翌朝、金沢は激しい雨が降っていた。レンタカーを借りて出発した。移転した金沢大学の脇を進んでいくと、すぐに富山県に入った。これから目指すのは五箇山である。ぐんぐん坂道を上っていき、山奥に入っていく。五箇山トンネルは三キロ以上の長さがあった。
 五箇山は合掌造りの里として、世界遺産に登録されたが、さほど観光化された感じはしない。もちろん、観光案内所はあるのだが、古くからの居住空間がそのまま保存されている。地区を見下ろす高台に登る。雨はやんでいたが、ぬかるんで足を取られそうになった。写真を撮ってふもとに下りていく。
 集落はほとんどが合掌造りで、多くは農業に携わっているようだった。相倉民俗館に入ってみることにした。これも合掌造りの建物の中にある。五箇山ではかつて、床下で塩硝を作っていた。これはそば殻やヨモギに糞と尿、土をかけて発酵させ、火薬の原料を生産する方法で、米の代わりの年貢として加賀藩に納められていた。
 その他、屋根裏では養蚕、紙漉が行われていた。女性のつける櫛や簪、漆塗りの食器や杯、桑の葉を集めたり、蚕を育てたり、繭から、絹糸を繰り出す車もあった。山奥の集落とはいえ、文化的に水準の高い暮らしをしていた。放映されているビデオでは、ササラを持って踊るこきりこ節の踊りも見られた。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 00:13| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする