2016年11月21日

合掌造りはどちらがすごい(3)

 五箇山から車で移動する場合、白川郷までは一時間もかからない。前方に合掌造りの里が見えてきた。たしかに家屋の数では、五箇山を凌駕している。ただ、大量の自家用車と観光バスが押し寄せ、駐車するためのスペースがない。トンネルをくぐった先の寺尾駐車場に回され、そこから無料バスで白川郷に運ばれていった。
 道路は舗装され、合掌造りの多くは、観光客向けの商店となっていた。大型バスが到着すると、大勢の外国人客が降りてくる。繁華街でも歩いているかのようで、静かな山里の面影は失われている。現在でも人々の生活が営まれている五箇山とは、大違いなのである。
 白川郷は吊り橋を渡った対岸にも広がっていた。その奥には、合掌造りを二十数戸移築し、かつての白川郷の雰囲気を再現した民家園があった。その中に入らなければ、かつての姿を思い浮かべられないのが悲しい現実である。
 時間がかなり押していた。有料道路の白山白川ホワイトロードを進んだ。これは登山道のように、山岳地帯を走る有料道路である。途中の蓮如茶屋で車を止め、階段を上っていくと、白川郷展望台に出る。はるかかなたの下界に、合掌造りが数軒見える程度であるが、なるほど見晴らしがいい。

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2016年11月17日

合掌造りはどちらがすごい(2)

 五箇山の合掌造りは相倉地区以外に、菅沼地区にも広がっているが、そちらに回る余裕はなかった。ただ、五箇山最大の大きさを誇る岩瀬家には寄った。相倉地区から離れた西赤尾町にある。かつては三五人も居住していた大所帯だった。
 すでに二時近くなっていた。岩瀬家の斜向かいにある食堂に入った。日本そばにちらし寿司、煮物や酢の物など、地味なようできめ細かな心遣いの感じられる料理で、実においしい。近くには真宗大谷派の行徳寺があった。北陸は蓮如が布教したこともあって、浄土真宗の門徒が多い地域である。
 さて、合掌造りと言ったら、先ず白川郷を挙げる人が多いと思うが、かつての山里の面影を求めるなら、五箇山に足を運ぶべきである。確かに、規模の上では白川郷は大きいのだが、余りに観光化されてしまって、静かなたたずまいを期待した人は失望してしまうだろう。(つづく)


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2016年11月16日

合掌造りはどちらがすごい(1)

 翌朝、金沢は激しい雨が降っていた。レンタカーを借りて出発した。移転した金沢大学の脇を進んでいくと、すぐに富山県に入った。これから目指すのは五箇山である。ぐんぐん坂道を上っていき、山奥に入っていく。五箇山トンネルは三キロ以上の長さがあった。
 五箇山は合掌造りの里として、世界遺産に登録されたが、さほど観光化された感じはしない。もちろん、観光案内所はあるのだが、古くからの居住空間がそのまま保存されている。地区を見下ろす高台に登る。雨はやんでいたが、ぬかるんで足を取られそうになった。写真を撮ってふもとに下りていく。
 集落はほとんどが合掌造りで、多くは農業に携わっているようだった。相倉民俗館に入ってみることにした。これも合掌造りの建物の中にある。五箇山ではかつて、床下で塩硝を作っていた。これはそば殻やヨモギに糞と尿、土をかけて発酵させ、火薬の原料を生産する方法で、米の代わりの年貢として加賀藩に納められていた。
 その他、屋根裏では養蚕、紙漉が行われていた。女性のつける櫛や簪、漆塗りの食器や杯、桑の葉を集めたり、蚕を育てたり、繭から、絹糸を繰り出す車もあった。山奥の集落とはいえ、文化的に水準の高い暮らしをしていた。放映されているビデオでは、ササラを持って踊るこきりこ節の踊りも見られた。(つづく)


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