2016年10月16日

「指宿」は「いぶすき」(3)

 時間の余裕がないので、そのまま指宿枕崎線のホームに向かった。国鉄がJRに再編されて以来、九州の赤字ローカル線も多くが廃止された。枕崎が終点となったこの路線も、鹿児島交通枕崎線と接続していたが、伊集院までの私鉄が廃止されたことで、薩摩半島の先端で行き止まりになってしまった。
 指宿枕崎線の廃止を防いでくれているのが、観光列車の特急玉手箱号である。この名前は、指宿が浦島伝説と関わりがあることにちなんで名づけられたという。普通列車の車両を改造し、外装は黒と白の二色に塗り替え、椅子は車窓と向かい合うように設置されている。発車のベルがなって、エンジンがフル回転する音がした。気動車が高台に差し掛かると、桜島の全景が海上に浮かび上がって見えた。
 車内販売が来た。卵のプリンと胡麻プリンの二層になったお菓子を食べた。これは玉手箱号のデザインを模した物である。サツマイモの発泡酒は芋焼酎のような匂いがした。飲みながら、半生の鰹スライスを食べた。指宿まで一時間足らずの旅だったが、途中、乙姫様の姿をした女性が、乗車記念に玉手箱の形したお菓子を配っていた。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:08| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする