2016年10月10日

野間宏編『小説の書き方』(8)

 そこで登場したのが「自由間接話法」である。直接話法では括弧にくくられていた登場人物の言葉が、いきなり地の文の中に放り込まれたのである。そのために読者は外界の描写から自然に、登場人物の心理に入り込めるようになったのである。
 これは西欧人にとっては画期的なことであったかもしれないが、日本文学にとっては何も珍しいことではない。平安朝の古典文学の理解が難しいのは、文法や用語が現代語からかけ離れているばかりではない。地の文と登場人物の意識の境目が明確でない場合が、多々見受けられることにもよる。
 以上、同書を読み進めた上で気がついた問題を、自分なりに展開してみたが、物語の筋をいかに繰り広げるか、という難問はまだ残されている。しかし、それについてはまた別の機会に論じてみることとしよう。

参考文献
『小説の書き方』(野間宏編 明治書院)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 07:52| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする