2017年09月24日

「んみゃーち」の宮古島(15)

 東平安名崎は東京まで1843キロ、ソウルまで1434キロ、台北まで403キロ、那覇まで279キロ、石垣までも140キロある。ここは東シナ海と太平洋の流れがぶつかり合う所。沖は凪いでいるのに、打ち上がる波しぶきがすさまじい。一つ一つの波が芸術的で個性を持っている。
 風の向きと強さ、いくつの波を呑み込んだかによって、規模、盛り上がり方、砕ける際に噴き上げる飛沫の散り方も変わってくる。沸き立つ泡の中には海水と風、削り取られた岩の破片も混じっている。ここは海と陸地がせめぎ合う所。目には見えない速さで、海は確実に岬を削り取っていく。
 灯台の上に登ってみた。南西側の太平洋から波が打ち寄せてくる。岬の北側は比較的穏やかで、珊瑚礁の手前で波は砕けて、その上を白い泡が滑っていく。ところどころに大岩が小島のように点在している。(つづく)

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posted by 高野敦志 at 02:17| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月23日

ぼくがダライラマ?(19)

 こちらを見つめるもう一つの目、それは師となったお方のまなざしだった。チベットという国は、二人の偉大なラマ、ダライラマとパンチェンラマに統治されている。ダライラマは都であるラサに君臨し、パンチェンラマは、ラサの西方にある第二の都シガツェに君臨している。ダライラマが観音菩薩の化身なら、パンチェンラマは阿弥陀如来の化身だとされる。
 在俗の行者の家に生まれたぼくは、菩薩と如来とではどちらが上かぐらいは知っている。この国では菩薩の方が如来よりも貴ばれているのだ。庶民に人気があるのは、悪人を懲らしめたり、御利益を下さる忿怒尊の方だし、仏の教えを下さる師のラマは、菩薩や如来よりも先に、帰依しなければならないということも。
 パンチェンラマ五世は、ぼくより二十歳年上で、お父さんと同じぐらいの年なのだが、坊主頭に大きな丸い顔、少し太って動きの遅い体は、老人に近いものを感じさせた。屈折した相手を哀れむような目をしている。生き別れたお父さんの方は、ぼくの記憶の中では、ヒゲの生えた猛禽のような目をした勇者のままなのだが。ぼくに戒律を授けるとき、そのお方は、内心をうかがうまなざしで見た。これで師弟の関係が結ばれたらしい。
 長い儀式が終わって一対一になると、パンチェンラマは口を開いた。
「どうして自分がここにいるのかと思っているんだね」
「ダライラマ五世は、まだポタラ宮にご健在のはずですね。だったら、ぼくは人違いですよ」(つづく)

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posted by 高野敦志 at 12:06| Comment(0) | 連載 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アイヌモシリへの旅(pdf)

 北海道各地にあったユースホステルに泊まりながら、大自然に触れた心の旅をつづりました。成人して間もない大学生が、熟年に至るまでの全4回、30年間の変遷がたどれます。1980年代から90年代のユースホステルの様子や、当時の若者の姿も描きました。
今回はパソコンですぐに開けるpdf版をアップロードします。
 以下のリンクからダウンロードしてからご覧下さい。
ainu.pdf

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