2017年05月28日

William BuhlmanのAdventures in the Afterlife(1)

『肉体を超えた冒険』で、ウィリアム・ブルーマンに関心を持った僕は、未邦訳の本書を読んでみた。Kindleのおかげで、日本語に近い速度で読み進めることができた。癖のない英語なので、大学生程度の英語力があれば読み通せるだろう。
 本書は2部構成となっている。前半はFrank Brooksという虚構の人物による死後体験の物語である。Rumiという知的生命体に導かれて、死後のFrankが霊的に進化していくさまは、ゲーテの『ファウスト』を読んでいるような印象を受ける。
 若くして癌に冒されて、妻と幼い娘を残しして死んだFrankは、現世によく似た世界を訪れる。ここには死んだ母やおばも住み、懐かしい実家で母との再会を喜ぶ。そこには教会もあって、この世と同じように神への祈りが捧げられている。Franhは自分が死んだことに気づいており、コピーのような世界が天国ではないことを悟る。亡き父の姿はなく、キリストの姿もない。そこは死者の共同体が形作った信念体系領域だったのである。『聖書』への疑念を示したFrankは、異端者として扱われ、母の住むFirst Heavenを去ることになる。
 Frankはアストラル界でも周波数が高いSecond Heavenを旅することになる。その間に前世の自分が何をしてきたかを知る。ドイツ軍の兵士として進軍していたり、家庭内暴力で母が父に暴力を振るわれて、息も絶え絶えになっているさまを見たり。人間は転生を繰り返すことで、さまざまな教訓を得て、霊的に進化していくということを、Rumiによって教えられる。
 肉体を捨てたFrankではあるが、さらにアストラル体も捨て去り、第二の死を経験することで、Third Heavenに当たる思念応答の次元に達する。そこでは思うがままに創造する力を獲得する。それから数世代の時間が流れ、Frankはさらなる探究のために、人間として転生することになる。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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梶井基次郎の青春(pdf)

 伊豆で過ごした梶井基次郎の生と死への思い、宇野千代や三好達治との交友関係を、美しい伊豆の自然を背景に描いた小説「厚い掌」を、パソコンですぐに開けるpdf形式で配信します。以下のリンクをクリックすると、すぐにpdfが開きますので、パソコンに保存してご覧下さい。
atsuitenohira.pdf

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2017年05月27日

ぼくはネコなのだ(41)

 夜遅くなり、おばさんとおばあさんがいなくなると、ぼくらもいったん寝てしまう。しばらくして目を覚ますと、ぼくはお尻を持ち上げて背筋を伸ばしたり、足を前に投げ出して柔軟体操を行う。兄貴も目が覚めたようなので、追いかけっこでもすることにした。
 兄貴の方を見ると、もう戦闘モードになっている。しっぽを横に振りながら、「おい、こっちに来いよ」と挑発してくる。
「この意気地なし! おまえ、おれがこわいんだろ」
 ぼくはにらみつけ、兄貴に向かって突進する。兄貴は全速力で逃げていく。ぼくも負けじと追いかける。追いついたところで、兄貴はこちらのおなかを足蹴にして、顔にパンチを食らわせた。
 遊びのはずなのに、手加減してくれない。今度はぼくが全速力で逃げ出した。そのとき、テーブルにうつぶしてたおじさんが目を覚まし、こわい顔をして裏口のドアを開けた。思わず、ぼくは外に出てしまったんだけど、兄貴の方は吹きすさぶ風に怖じ気づいたのか、台所の出口の前で立ち尽くしていた。
「出てけ!」
 人間の言葉が分からない兄貴も、おじさんが本気で怒ってるらしいことは分かった。身を伏せるようにして、すごすごとおじさんの前を抜け、柿の木の前に出たところで、後ろのドアがバシンと閉められてしまった。(つづく)

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